
住宅金融支援機構の調べによると、変動金利で借りた方の3~5割の方が、金利リスクを理解していないという事実が判明しました。変動金利を選ぶ場合は、金利リスクを理解した上で、無理のない借入金額を設定する必要があります。
住宅ローンの金利リスクへの理解度
金利リスクの理解度の調査結果です。
データは、住宅金融支援機構の『民間住宅ローン利用者の実態調査』を元に作成しています。
それぞれの金利リスクについて考えてみます。
1.適用金利や返済額の見直しルール
変動金利で借りるなら、絶対に理解しておきたいルールがあります。
それが「5年ルール」と「1.25倍ルール」です。
これらのルールは、「急激な金利上昇から住宅ローン利用者の保護する」ための仕組みです。保護すると言っても、あくまでも状況を先送りするだけなので、未払い利息を発生させてしまう可能性があります。
未払い利息が発生する仕組みは、下記の記事で詳しく説明しています。

2.将来の金利上昇によって、どのくらい返済額が増えるか
これから数十年経っても金利は変動しないと思っていたとしても、どのくらいの金利上昇までなら家計が破綻しないかをシミュレーションしておいても損はないです。
ネット上には住宅ローンのシミュレーターは沢山あります。その中でもお勧めなのが、『高機能住宅ローンシミュレーション』です。未払い利息のシミュレーションもできる優れものです。
3.将来の金利上昇に伴う返済額増加への対応策
金利が上がるタイミングで、変動金利から固定金利に借り換えする?
いえいえ、それは不可能に近いです。固定金利への借り換えなんて対応策といえません。金利が上昇するタイミングが読めるなら、株で大もうけ!あっという間に住宅ローンなんて返済できます。
変動金利と固定金利の「金利変動の仕組み」は、下記の記事をご覧ください。


返済額増加への唯一の対応策は、余裕のある返済計画しかありません。だって無い袖はいくら振っても振れませんもん。変動金利で限度額ぎりぎりの借り入れだけは絶対にやめておきましょう。変動金利は、家計に余裕のある方が選択する金利タイプなのです。

諭吉のよもやま話
空前の低金利時代です。変動金利を選択して住宅ローンを効率よく返済したい気持ちは、私も住宅ローンを借りている身ですので、痛いほど分かります。
「ここ10年以上は金利は上がっていない!全期間固定金利で借りるなんて無駄!」
という声をよく聞きます。でも、住宅ローンを払い終わるまでは、無駄かどうかなんて誰にも分かりません。変動金利のリスクを想定せずに、勢いで変動金利を選択することは避けたいところです。
ときどき自分のことしか考えていない怖い営業がいますので、くれぐれもご注意を。
