「ふるさと納税」という言葉をネットやテレビで盛んに耳にするようになりました。なぜ人気なのか、なぜ騒がれるのか、疑問でした。それは「なぜ得なのか」を理解していなかったためでした。
調べた結果…
こりゃ、やらないと損です。
ふるさと納税とは
2008年4月から「ふるさと納税」制度は始まりました。目的は都会と田舎の税収格差を減らすためです。「ふるさと」という名から都会で頑張っている人が故郷のために納税するほっこりする制度なのかと思いきや、どこでも好きな自治体に寄付できます。
ふるさと納税のことを知ってしまった今は、ほっこりどころか、欲望が渦巻く制度にしか見えなくなりました。なぜなら上手く利用すると寄付した金額以上にリターンがあるからです。
ふるさと納税は、なぜ得なのか?
ふるさと納税のうち2,000円を超える部分については、一定の上限まで原則として所得税と住民税から全額控除されます。なおかつ、寄付した自治体から特産品が送られてくるのです。
つまり、ふるさと納税には大きな3つのリターンがあるといえます。
1. 所得税が控除される
2. 住民税が控除される
3. 自治体から特産品がもらえる
1.所得税が控除される
ふるさと納税は所得税の寄付金控除にあたります。寄付した金額に応じて本来の税額から一定の金額が差し引かれるのです。ざっくり言うと、寄付した金額に応じて支払うべき税金が安くなります。
控除額の求め方は簡単です。「特定寄付金の合計額」と「総所得金額の40%相当額」を比べて低い金額から2,000円引いた金額が寄付金控除額となります。
実際に還付される金額、すなわち確定申告でリターンされる金額は寄付金控除額に所得税率を掛けた金額になります。
たとえば、所得税率10%の人が40,000円寄付した場合
(40,000円 - 2,000円)× 10%(所得税率) = 3,800円
上記の計算式の通り、確定申告で3,800円が還付されます。
所得税率については『No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁』を参照ください。
2.住民税が控除される
ふるさと納税の目的は都会と田舎の税収格差を減らすことであるため、住民税の控除額はとても大きいです。
控除額の求め方は少しだけ複雑です。住民税の控除は基本分と特例分に分かれます。
先程の続きで計算します。(所得税率10%の人が40,000円寄付した場合)
基本分は…
(40,000円 - 2,000円)× 10%(住民税率) = 3,800円
特例分は…
(40,000円 - 2,000円)× (100% - 10%(住民税率) - 10%(所得税率)) = 30,400円
基本分と特例分を合わせると、
3,800円 + 30,400円 = 34,200円
住民税の控除額は34,200円となります。
一つ注意点があります。住民税は所得税と違って還付はありません。翌年分の住民税が減額されます。
所得税と住民税の控除額の合計
所得税の控除額 3,800円、住民税の控除額 34,200円の合計は…
3,800円 + 34,200円 = 38,000円
38,000円となります。寄付金4万円に対して、38,000円分の税金が控除されます。
従って、実質2,000円で次に紹介する自治体からの特産品をゲットできることになります。
3.自治体から特産品がもらえる
自治体からの特産品は、ふるさと納税の最大の醍醐味です。なぜなら実質2,000円の負担金で地方の特産品をお取り寄せできるからです。お取り寄せする特産品に2,000円以上の価値があれば、実質収支はプラスとなります。
価値のある特産品であればあるほど、ふるさと納税で得したことになるのです。
ふるさと納税で人気の特産品は?
長野県阿南町では10,000円の寄付で20キロのお米が送られてきます。太っ腹すぎる特典のあまり、2015/04/08の23半時点でサーバーがダウンする事態に発展しました。
その他では山形県天童市ではさくらんぼの佐藤錦も人気があります。
長野県飯山市ではパソコンなんて変わり種もありました。これはテレビでも話題になりましたね。
ふるさと納税の人気に比例して、ふるさと納税を簡単に申し込めるサイトも多くなってきました。これからふるさと納税を始められる方はランキングサイトなどをのぞいていて人気の商品を見つけてください。
ふるさと納税の注意点
忘れていけないのは寄付金に上限があることです。上手に利用できれば自己負担額は2,000円なのですが、寄付金の上限を超えた分、つまり控除額を超えてしまうと自己負担になります。
自己負担額の計算は『総務省のふるさと納税ポータルサイト』にて、寄付金控除額のシミュレーションができるExcelシートが配布されています。ざっくりと計算できます。
ふるさと納税をクレジットカード払いで二重でお得!
クレジットカードでふるさと納税できる自治体も増えてきたようです。上手く利用すれば、二重でお得です。たとえば、ポイントが一番使いやすい『楽天カード』を使って寄付をすると、寄付金の1.00%ポイント還元されます。仮に10万円寄付したとしたら1,000円分のポイントがつきます。楽天なら使い道も沢山あります。
ここ最近のふるさと納税の過熱ぶりは凄いですね。2015年はふるさと納税枠2倍、手続きの簡素化で確定申告がいらないの制度改正もあり、今年はふるさと納税元年になりそうです。
「手続きの簡素化」は控除する自治体の立場に立つと厳しい制度改正です。本来なら国が還付全て所得税の控除を自治体が肩代わりするわけですから。寄付する我々にとっては、確定申告しなくてもよくて大変喜ばしいことですね。